こんにちは! ルカです。
このブログではイラストが上手くなりたい方向けに、イラストの練習方法や、実践内容をシェアしています!
今回の記事はこんな人向き
・思ったように顔が描けない
・自分の絵柄は古い気がする……
・好きなイラストを真似して描いても、何かが違う!
「顔」
に悩んだことはありませんか?
顔はイラストの命と言っても過言ではない、重要な部分です。
ぱっと見で誰もが「良い」「悪い」を判断できるからこそ、デッサンの狂いや流行から外れた絵柄は敬遠されがちです。
ではどうすれば、顔を上手く描けるようになるのでしょうか?
調べると様々な手段が見つかりますが、知りたいのはどんな練習が効果的か。
今回私がおすすめする方法は2つです。
- 「アタリ」で人体の狂いを無くす
- お手本の「比率」を真似する
まず、基本的なデッサンの狂いを治す必要があります。
あまり難しく考える必要はありません。アタリをとる時に最も重要なのは、中心線が正しく取れることです。
2.ではイラストとしてのデフォルメに焦点を当て、「かわいい顔」「かっこいい顔」「流行りの顔」を目指します。
顔のデフォルメには、お手本となるイラストのバランスを真似する方法がとくに効果的です。
理想的な顔の比率を知り「正解のバランス」として自分の中にインプットしましょう。
それでは実際にアタリとバランスについて詳しく見ていきます!
重要なのはまず実践してみること。
この記事があなたの役に立ちそうなら、読むだけでなくぜひ実践してみてください。
一緒に画力UPを目指しましょう!
前回の記事が気になる方はこちらから↓
顔の狂いをなくす
なぜおかしいのか
まずはいつも通りに顔を描いてみましょう。
顔を描くのが得意な人は、ここでさらっと狂いのないイラストが描けてしまうものです。しかし残念ながら私はあまり顔を描くのが得意ではありません……。
さてどんな狂いが生まれるでしょうか?
それでは下のイラストを見てください。
さっそく描いてみました。理想的な顔を意識しても、なかなか癖が抜けませんね……。
今回は「ソシャゲっぽい顔」を意識して描いてみたのですが、どことなく絵柄が古くさい印象です。
この絵の顔をよく見ると、色々と違和感が滲み出しているのが分かるでしょうか。
これこそが顔の狂い、デッサンの狂いです。
この狂いの恐ろしいところは「何かがおかしい」のは分かるのに「何がおかしいのか」がよく分からないところです。
- 目の大きさに左右で差がある気がする
- 耳が今にも千切れそう
- 正しい鼻の位置が分からない
- そもそも輪郭がおかしいのでは?
……実は、その全てに少しずつの「ズレ」が生じることで違和感が生まれています。そのため、どこか1箇所を直せば改善する、というようなことはありません。
この狂いは顔を描く上での最大の敵と言えます。
どんな絵柄でイラストを描くにしても、顔に狂いがあれば全てが台無しです。
その他の描写が完璧でも、色塗りがどんなに上手くても、取り繕えない部分が「顔」だからです。
私たちは日常的に人間の顔を目にしています。だからどんな些細な違和感でも、絵に精通していない人でも、顔の違和感には一目で気づけてしまうのです。
できればデッサンの狂いを無くして、可愛い顔が描きたいですよね!
どうすれば顔の狂いを直せるでしょうか?
アタリ
線画を描く前に、アタリを描くことで改善できます。
ここに人体の狂いを直すヒントがあります。
アタリとは描く前にイメージを膨らませ、正しい線の位置を探る重要な作業。イラストの基礎を作る段階です。
頻繁にイラストを描く人なら、ごく自然にアタリを引いている人も多いのではないでしょうか?
まずはアタリを引くことの効果を見ていきましょう。
先ほど描いた2体の女の子を、アタリによって修正していきます。立体をイメージしてアタリの線を引いていきます。
下の絵を見てください。先ほどの線画を薄め、上から赤線でアタリを描きました。
微妙な違いに思えますが、よく見ると様々な修正があります。
- 輪郭
- 耳の位置
- 肩の位置
- 首のライン
- 顔の中心線
アタリを描かずに描いたイラストは、基礎が不安定な状態です。一見不具合がないように思えても、少しずつ微妙なズレが生まれています。バランスの間違いにすぐ気がつけるようになるには、やはり上手なアタリを描くことが一番の近道です。
続けて顔の下描きも入れていきます。
顔の中心線が定まったことの効果は絶大です。
- 鼻の位置が中心の正しい位置に収まる
- 口元の歪みが無くなる
- 目の位置や大きさが適正化される
輪郭の中でどこに配置すれば良いか、描いては消して、消しては悩んでいたのが嘘のように、パーツはあるべきところに収まりました。やってみて、自分でも意外なほどの効果を感じてびっくりしています。
このアタリを元にイラストの線画を修正してみましょう!
いかがでしょうか!
前のイラストと比べると違和感が軽減し、心なしか古臭さも感じにくくなったのではないでしょうか。
比較してみてください。
最初のイラストでは目の形や鼻の位置に迷いを感じますが、アタリの効果でその迷いが綺麗に消え去っています。
なぜいきなり線画を描くとバランスが狂ってしまうのでしょうか?
それは「細かいところを描き込みながら仕上げていく」という手法をとってしまっているから。
輪郭を描く→目を描く→鼻を描く→口を描く→髪を描く→首や肩を描く
このように順番に仕上げていくことは大きなリスクを伴います。
まず最初の輪郭がごく僅かに狂っていたとします。そうすると目の位置や大きさも狂い、中心線がズレることで鼻の位置が狂い、首の位置も狂い……
その狂いはイラストが完成に近づくにつれ、どんどん大きなものになっていきます。
実は全身のイラストを描くときも同じです。「顔を描いてから→首→体」と進むのではなく、まず全身のアタリをとってしまうことが大切です。
絵は「より大きい部分から描く」ということです。
例えば背景も入れて描く場合なら、まず背景のモチーフの配置や、人物の大きさと位置関係などを考えます。そしてザックリとアタリを描いていきます。大枠を考えてから細かい部分に取り掛かりましょう。
デッサンを狂わせず、正しく描くための定石。
それがアタリを描くということなのです。
理想的な顔のバランスとは?
参考イラストを用意する
アタリによって狂いを修正したら、次は顔の「比率」を把握しましょう。
「顔の黄金比」という言葉を、度々耳にしないでしょうか?
「黄金比=理想の比率」です。
これはメイクの方法などでよく使われる単語ですが、キャラクターイラストの顔も例外ではありません。
しかしイラストの場合、人によって好みの絵柄、好みの顔のバランスがありますよね。唯一の正解があり、それに近づければ必ず良いイラストが描ける、というわけではありません。
まずは自分にとっての「黄金比」と思えるイラストを探して参考にしましょう。
そのイラストをお手本にして比率を知れば、理想的なバランスで顔のアタリを取ることができ、思い通りの顔が描けるようになるはずです!
お手本のイラストを用意する際は、以下の点に気をつけましょう。
・「こんな顔が描きたい!」と思える
・顔が正面を向いている(比率を調べるため)
・理想の絵柄が複数ある場合、まずは1つの系統に絞る
最後の注意点の理由は、一つの絵柄に集中して練習した方が習得しやすいからです。
好みの顔の絵柄が複数あるなら、まずは似た系統のイラストに絞って取り組んでみてください。
そして最も重要なのはモチベーションです。
「この顔が描けるようになりたい」という強い原動力を感じるイラストを選びましょう!
理想の比率とは?
お手本イラストは用意できたでしょうか?
自分の好みの顔は一体どんな比率なのか、実際に調べてみましょう!
私はお手本のイラストを選ぶとき、最初にタカヤマトシアキさんのイラストが浮かびました。
(タカヤマトシアキさんは私にとって憧れのイラストレーターで、このブログ内では3ヶ月上達法の目標にも設定しています。)
しかしタカヤマトシアキさんは数多くのお仕事を手掛けている関係から、いつも決まった絵柄がある、というわけではありません。
今回は前述の通り特定の絵柄があった方が練習しやすいため、急遽他のイラストを探すことに……
流行りの顔なども意識しつつ、好みの絵柄のゲームを探した結果「原神」のイラストをお手本にすることにしました!
「原神」は顔がとても可愛く、各キャラクターの絵柄に統一感があります。男女ともに魅力的なキャラクターが多く揃っているため、サンプルが十分で比率も参考にしやすそうでした。
【壁紙配布】
— 原神(Genshin)公式 (@Genshin_7) August 8, 2024
Ver.4.8のキービジュアルを使用したスマートフォン用とデスクトップ用の壁紙を配布します。
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下記からは原神のキャラクターイラストをお手本に、キャラクターの顔の比率について考えていきます。
まず女性キャラを何人か選び、顔の比率を計りました。
この作業の目的は
「好みの絵柄で顔を描くために、お手本イラストの顔のバランスを知る」です。
ですから特徴を捉えるために、幾つかのポイントを押さえる必要があります。
特に注意するのは4点です。
- 輪郭(額の生際〜顎の先端)の形
- 輪郭と頭部の大きさのバランス
- 各パーツの配置
- 目の大きさ
この4つはイラストの特徴(絵柄)を大きく決定づけている要素です。
そのためここを押さえれば、だいぶ理想の顔に近づきます。
中でも輪郭の形と頭部の大きさは重要です。上記のバランスに気をつけて比率を見ていきましょう!
上のように測ってみました。
思っていたよりずっと童顔なバランスだったので驚きました。
なるほど。このぐらい思い切ったデフォルメが、原神イラストの可愛さを生んでいるのです。
原神の女性キャラの顔の比率は、大きく分けて2パターンでした。
上に挙げたパターン①は最も多いバランスで、デフォルトタイプと言えそうです。もう一つのパターンはパターン②の大人顔です。
全体的にほっそりして、落ち着いた印象を与えます。
パターン①に比べると輪郭が縦に長くなり、目の位置は少し高く、目の大きさは縦幅が狭くなっていました。顎の角度も鋭くなり、頬の頂点の位置が高く(耳に近く)なっています。
さてお手本の比率を知ったところで、次は自分の描いたイラストと比べてみましょう。
改善点が見えてくるはずです。
まず最初の印象としては「お手本と比べて輪郭が細く、角張りすぎている」でした。
これは一目で分かる改善点ですね。
実際に自分のイラストを測ったあとは、もっと細かく改善点が見えてきました。
この比率を図る作業は少し面倒にも思えますが、目測で徐々に似せていくよりずっと近道です。
相違点がはっきりと分かりますし、理想的な顔の比率を知ることは自分の「手癖」を治すことに効果的です。
イラストの修正をしていきましょう。
測ったところ、私のイラストはパターン②のタイプに近い比率でした。
そこでまずはパターン②の比率を参考に修正していきます。
出来たところ、出来なかったところを下の表に整理しました。
出来たところ | 出来なかったところ |
・顔の縦横比(パターン② 大人顔) | ・頭部で最も幅がある部分を、もっと下の位置にズラす |
・輪郭に対する頭部のボリューム | ・頬の頂点の位置を上げ、もっと輪郭に膨らみを持たせる |
・目の横幅(頬の頂点の幅の1/3) | ・目と鼻の位置を少し上にずらす |
・耳を大きくする |
それでは比率に従って修正していきます。
手順は以下の通りです。
- パターン②の比率で輪郭を描く
- 輪郭から目、鼻、口などパーツの位置を割り出す
- 比率に従って線画を描く
どうでしょう、だいぶ成功しているのではないでしょうか!?
修正前と比較してください。
角ばった癖がだいぶ抜けて、可愛くなったと思います。
最も変化をもたらしたのは、最初に行った輪郭の修正です。
頬の丸みが加わり、頬の頂点が変わったことで、1/3の目幅も変化しました。
見比べてみると、修正前の顔とは目の形が大きく変化していますが、これは輪郭の修正に伴う変化なのです。
このようにお手本の比率を参考にしてイラストを制作することで、自分の手癖が簡単に抜けて、理想に近い顔が描けるようになるのです。
つまりお手本の比率を覚えることは、感覚頼りにならず、理論によって描ける顔のレパートリーを増やすということ。
結果的に安定した創作活動をもたらす効果があります!
試しに、先ほどのイラストをパターン①の比率でも描いてみましょう。
比率を変えたことで、全く異なった印象の顔になったと思います。
顔の比率を覚えれば、バランスを崩すことなく安定した品質でキャラクターを描けるようになるのです!
「顔が上手く描けない」と、私と同じように悩んでいる方。
まずは「これが描きたい」と思えるお手本イラストを探すことから、ぜひ試してみてください!
まとめ
いかがでしたか?
今回の記事は「キャラクターの顔を上手く描くには?」というテーマに、アタリと比率の側面からアプローチしました。
それは私が、顔はバランスが命と思っているためです。
私は先述のように顔を描くのがあまり得意ではありません。
「なぜかカワイイ顔が描けない……」という悩みを抱えていたことから、お手本となる「カワイイ顔」の分析をしようと思い立ちました。
結果的に効果を感じたので、この記事で共有します。
さて、アタリと比率の効果性が確認できたら、あとは練習あるのみです。
一度分析しただけでは「知っている」だけで「身に付く」には至っていません。
ぜひ何度も顔を描いて、バランスを脳にインプットしましょう!
(実はこの記事の最初に表示されているイラストも、比率やアタリの練習後に描いてみました!
改善の効果が感じられます!)
次回は体の描き方……に入る前に、「キャラクターの衣装」というテーマに取り組んでいきます。
上達のために取り組むこと(線画) | |
① キャラクターデザイン | (1)顔 (2)服 |
② 人体の構造 | (1)手 (2)足 (3)胴 |
③ パース | (1)パース (2)人体のパース |
「顔も体もポーズも描けた。だけど衣装が決まらない」
こんな事態に覚えはありませんか?
これはオリジナルイラストを描くときのあるある……だと個人的には思っています。
というわけで次回は「キャラクターデザイン」です。
内容としては、ゲームのキャラクターが着ているようなファンタジーな衣装に取り組んでいきます。
次回もぜひ「イラスト部」にご参加くださいね!
「こんな記事が読みたい」など何かご意見・ご要望がある方は「お問い合わせ」ページより、お待ちしています。